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被爆体験を語る池田精子さん=2006年7月5日午後2時20分、北海道北見市内、吉田芳彦撮影

 広島県原爆被害者団体協議会(箕牧(みまき)智之理事長)の元副理事長の池田精子さんが20日、脳出血で広島市内の病院で死去した。92歳だった。葬儀は22日に近親者でとりおこなった。

 12歳のときに爆心地から約1.5キロの学徒動員先で被爆。顔などにやけどを負い、ケロイドの手術を繰り返した。県被団協に発足当時から関わり、自身の体験を伝え続けた。

 2016年4月に広島県内で開かれた主要7カ国(G7)外相会合では、外相夫人に被爆体験を証言した。周囲から「赤鬼」「おばけ」と心ない言葉をかけられたことなどを語り、「世界のどこにも再び被爆者をつくってはいけない」と訴えた。

 娘の真智子さん(73)は取材に対し、「(ケロイドのことで)馬鹿にされたくないと、洋裁を学び、教室を開くような人だった」と振り返った。「まだまだ教えてもらいたいことがたくさんあったと、棺に向かって呼びかけた。急なことで、心の整理ができていない」と話した。

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